この写真は、1986年1月号の雑誌「ViVi」(No.31)の表紙を飾った小林麻美さんとユーミン(松任谷由実 / 荒井由実)。麻美さんの目の中に星がきらめいてる感じですね。麻美さんと並ぶと、ユーミンなんだかかわいい。僕はユーミンの顔、好き~。
ユーミンが詞を書き、マンタ(松任谷正隆)さんがアレンジ、小林麻美さんが歌った「シフォンの囁き」(1985年)、オリジナルはクリスチャン・オール(CHRISTIAN HOLL)の「FEMME DANS MA VIE」で、麻美さんのシングル盤(レコード番号 07SH 1630)と同じくCBS・ソニーからのリリース。クリスチャン盤はレコード番号が(07SH 1615)なので、麻美さんよりちょっと早い発売ですね。僕はかなり昔、中古レコード屋さんで、このオリジナル・ヴァージョンのシングル盤(上の写真の右)を見つけました。
クリスチャン・オールはこの曲で、第14回東京音楽祭(1985年3月31日開催)に出場しているようです。デニース・ウィリアムスやメヌードもエントリーし、クール・アンド・ザ・ギャングが「チェリッシュ / Cherish」でグランプリをとった年なら、僕もテレビ放映を見ました。アイリーン・キャラが風邪で喉を痛めていて、ゲスト歌手でありながら、ショーでほとんど歌わずにすぐ楽屋に引っ込んで、どっチラケになった年でしたよね。クリスチャンが歌うのも見たはずですが、まったく覚えていないです。クリスチャン・オールはその後、増田けい子さんがフランス語で歌った1989年のアルバムにも曲を提供しているようです、僕はまだ聞いたことないんですが…。クリスチャン、もしこの「シフォンの囁き」を収録している1985年のアルバムがあるならちょっと聞いてみたいです。
同じくユーミンが詞を書いて麻美さんが歌った「愛のプロフェッサー」(1987年)、この歌の原曲が、ずっと気になっていて長い間オリジナル・ヴァージョンを探していたんです。麻美さんのシングル盤「移りゆく心」のB面がこの「愛のプロフェッサー」で、そこには、原題「BUOHANOTTE」(‘おやすみなさい’を意味する、BUONA NOTTEの間違いか?)と作者に「C. FERRANDI (CLAUDIA FERRANDI)」「P. CASSANO (PIERO CASSANO)」という2人の名前が記載されていました。イタリアの曲らしいということと、このクレジットを手がかりにネットで検索しても、ずっとまったく何もわからなかったんです。
ところが今年(2013年)になって、ネットにこの「愛のプロフェッサー」の原曲の動画がアップされていることを、偶然知りました。
PIERO CASSANO - NON ARRENDERTI MAI こちら:
https://www.youtube.com/watch?v=PO_9JpAx4lI
https://www.youtube.com/watch?v=e8y6YixCF3o
なんと、原題は「NON ARRENDERTI MAI」(決して屈服するな、絶対負けるな、みたいな意味)といって、麻美さんのシングルに書いてあった題「BUOHANOTTE」とはまったく違っていたのです。歌っていたのはピエロ・カッサーノ(PIERO CASSANO)という男性で、調べてみるとイタリアのグループ、マティア・バザール(MATIA BAZAR)の元メンバーであることがわかりました。
僕が持っていたマティア・バザールのLP「愛のブルー・トレイン」の、山岸伸一さんという方のライナーによると、“('75年のグループ結成時)からのリーダーで曲作りをしグループの音楽性を方向づけていたピエロ・カッサーノが、'79年にほかのメンバーとの音楽上の考え方の違いからグループを離れ(た)” ということでした。
正しいタイトルと歌手名がわかったので、その後早速レコードを手に入れました。レコードは西ドイツ盤のシングルで、海外からの送料込みで1160円でした。この曲でピエロ・カッサーノは1982年のサンレモ音楽祭にも出場したそうです。作者のクレジットは (PALLAVICINI - ALBERTELLI - CASSANO) の3人となっていて、これも麻美さんのレコードにある記述とは違っています。いくら探してもわからないはずですよね。責任者、出てこいっ!!
そして、ピエロ・カッサーノはこの1982年に、第13回世界歌謡祭(1982年10月31日)へ出場するため来日もしたようです。B.J. トーマス、セリーヌ・ディオン、タフィー・マッケロイらが出演した年、これも記憶にありません。ピエロ・カッサーノのエントリー曲は「月夜のマドンナ / DONNA BLU」(詞:VITO PALLAVICINI、曲: PIERO CASSANO) で、こちらの曲もネットでシングル盤を見つけたので、ついでに取り寄せました(こちらも西ドイツ盤で送料込で1160円)。悪くないですよ~。
2019年12月3日追記:
「愛のプロフェッサー」の原曲「NON ARRENDERTI MAI」にはフランス語カヴァーが存在することが判明しました。それはジャッキー・クォーツ(ジャキー・クワルツ / JAKIE QUARTZ)の1984年のアルバム「Alerte À La Blonde !」 に収録された「Histoire Sans Parole」(Written by Claudia Ferrandi, Piero Cassano, Adaptation by Jakie Quartz)というタイトルの曲です。麻美さんのヴァージョンはこの仏語盤に近いような気がします。聴いてみてください。
Jakie Quartz - Histoire sans paroles (1984) はこちら:
https://www.youtube.com/watch?v=Dg9Hr1ysox4
今回は、ユーミンが日本語詞を書いた洋楽のオリジナル版情報ということで、書いてみました。
小林麻美さんの大ヒット「雨音はショパンの調べ」(1984年)、ユーミンの日本語詞、素晴らしいと思うのですが、後にユーミン自身の歌で録音・発表したのはまったく理解出来ませんでした。なんらかの大人の事情があったのでしょうか?
ユーミン、そんな一般人のレベルにまで降りてこなくていいから…。
第14回東京音楽祭:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC14%E5%9B%9E%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E7%A5%AD
増田けい子さんのフランス語アルバムについてはこちら (向風三郎さんの「カストール爺の生活と意見」)を:
http://pepecastor.blogspot.jp/2008/04/blog-post_13.html
マティア・バザール(MATIA BAZAR)とは:
http://musica.itreni.net/artisti/matiabazar.html
サンレモ音楽祭:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%A2%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E7%A5%AD
第13回世界歌謡祭:
http://www.yamaha-mf.or.jp/history/e-history/wpsf/wpsf13.html
(追記:下↓のCDにも収録されている小林麻美さんの「GREY」の作詞・作曲は、松任谷由実と長年クレジットされてきましたが、曲は J.S.バッハ の 「我ら悩みの極みにありて BWV.641 」のまるパクリであることが判明しました。グレイどころではない、まったくブラックな盗作!!こんな汚いことを平気でする松任谷由実には幻滅しました!)
DREAM PRICE 1000 小林麻美 雨音はショパンの調べ
- アーティスト: 小林麻美
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックハウス
- 発売日: 2001/10/11
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 90回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
Yuming Compositions : FACES (初回)
- アーティスト: 松任谷由実
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2003/12/17
- メディア: CD
- クリック: 23回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
【Amazon.co.jp 限定】チケットサイズ・クリアファイル付~POP CLASSICO(初回生産限定盤)(DVD付)
- アーティスト: 松任谷由実
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 2013/11/20
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ポップフランセーズ 名曲101 徹底ガイド フランスは愛と自由を歌い続ける (CDジャーナルムック SUPER Disc SELECTION)
- 作者: 向風三郎,藤本国彦
- 出版社/メーカー: 音楽出版社
- 発売日: 2007/09/26
- メディア: ムック
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る