Kontaの歓びの毒牙

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ライザ・ミネリ 「LIZA’S BACK」

新郎がゲイだなんて絶対ウソよーッ!!

 ライザ・ミネリ(Liza Minnelli)が、2002年6月に7日間ニューヨークのBeacon Theatreで行なったコンサートの実況録音盤。6月7日と8日の舞台から約74分収録。2001年10月に脳炎を患い再起不能と言われたライザが、大復活したライヴです。激太りだった身体も40キロの減量に成功、2002年の3月16日にはプロデューサーのDavid Gest氏と4度目の結婚をし、その盛大な式の模様は大々的なニュースになりました。新郎のプロデュースによるこの舞台は結婚3ヶ月後のこと…。
 新婦ライザったら、チョー幸せそうなコメントをしています(泣 or 笑?)。「MINNELLI ON MINNELLI」の時とは違い、ちゃんと声が出ているし、息切れもしていません。観客に不安を感じさせることもありません。若い頃と声は変わってしまいましたが、これはこれで枯れた魅力があると思います。
 お馴染みのフレッド&エッブがライザの為に書いた新曲が2つ。ペギー・リーのヒットとして知られるものとは同名異曲の「DON'T SMOKE IN BED」は曲詞共あまり新鮮味がありませんが、「LIZA'S BACK」の方はなかなか良い出来。「SOMETHING WONDERFUL」では、新婚生活ノロケまくりのライザですが、これまでの結婚の中でも最短で破局した今となっては、聞いているとむなし…(泣 or 笑?)。
 このアルバムでのハイライトのひとつに次のCRY MEDLEY3曲があります。1曲目の「CRY」はゲイの歌手ジョニー・レイ(Johnnie Ray)ASIN:B000002738 が1951年に発表した大ヒット曲(彼のインタビューは「ビニール・クロゼット ―音楽界を創ったゲイたち―」ISBN:4796603395 で読んでね)。2曲目「DON'T CRY OUT LOUD」はライザの最初の夫ピーター・アレン作で、ライザは一部歌詞を変えて熱唱しています。歌詞の変更はこの歌をアメリカでヒットさせたメリサ・マンチェスターが「THE ESSENCE OF MELISSA MANCHESTER」ASIN:B000002VT5 のCDのライナーに書いたコメントから思いついたものでしょう。そして最後の「CRYING」はロイ・オービソンの名曲ですが、この歌をライザが採り上げるようになったのは、一時期非常に仲が良かったというレズビアンの歌手k.d.ラング(k.d. lang)ASIN:B00005N82R の影響かも?とっても切ない歌詞で涙、涙…。というわけで、このL&Gメドレー(爆) 、ぜひ聴いてみてください。
 ライザは、初めてブロードウェイで観たミュージカル、エセル・マーマンの「GYPSY」ASIN:B00000J28I で、舞台に夢中になったとよく語っていますが、今回のショーでもこのミュージカルから歌っています。「SOME PEOPLE」はライザのコンサートではお約束の歌ですが、今回はそれに加えて「ROSE'S TURN」も!この歌の出来も素晴らしいです。いつかブロードウェイでローズ役を演じたい…という気持ちが伝わってくるような気がします。そしてラストは、スタンダードの「I'LL BE SEEING YOU」を堂々アカペラで歌い、ファン感激の幕となります。
 御存知のように(?)、ライザの4度目の結婚は不可思議なものでした。なにも急いで結婚しなくても良かったのでは…と僕なんか思いますけど、そのおかげでライザは痩せることが出来たし、派手な結婚式で世界的に話題にもなったので、"充分、元は取ったわ!"なんでしょうかね〜(泣 or 笑?)。ちなみにこのCDのライナーは当時の新郎が書いています(でもライザのバイオに間違いが多いぞ)。その後のライザは、相変わらず皆に'訴えられまくり'で話題になってますね。そして2004年9月11日には、ライザの大切な顧問兼作詞家フレッド・エッブさんも亡くなられたし…、どうなるんでしょ。でも不死身(?)のライザ、これからも何度も'カムバック'して欲しいもんです。なお、このCDは日本盤ASIN:B00007K4O7 でも輸入盤ASIN:B00006JO3W でも現在入手可能です。


註:今回でひとまず‘ライザ・ミネリ祭り’は終了です。

ライザ・ミネリ(Liza Minnelli)のページ↓:
 これまで書いてきたライザ・ミネリ(Liza Minnelli)のアルバム紹介をまとめました。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~ktabloid/liza_minnelli.htm


  • LIZA'S BACK (2002)

PRODUCED BY PHIL RAMONE


01. LIZA'S BACK (John Kander, Fred Ebb)
02. SOMETHING WONDERFUL(From "The King And I") (Oscar Hammerstein II, Richard Rodgers)
03. CRY (Churchill Kohlman)
04. DON'T CRY OUT LOUD (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
05. CRYING (Joe Melson, Roy Orbison)
06. CITY LIGHTS (John Kander, Fred Ebb)
07. DON'T SMOKE IN BED (John Kander, Fred Ebb)
08. SOME PEOPLE(From "Gypsy") (Stephen Sondheim, Jule Styne)
09. NEVER NEVER LAND(From "Peter Pan") (Betty Comden, Adolph Green, Jule Styne)
OVER THE RAINBOW (Harold Arlen, E.Y. "Yip" Harburg)
10. WHAT DID I HAVE THAT I DON'T HAVE ?(From "On A Clear Day You Can See Forever") (Burton Lane, Alan Jay Lerner)
11. ROSE'S TURN(From "Gypsy") (Stephen Sondheim, Jule Styne)
12. MEIN HERR (John Kander, Fred Ebb)
13. MONEY, MONEY (John Kander, Fred Ebb)
14. MAYBE THIS TIME (John Kander, Fred Ebb)
15. CABARET (John Kander, Fred Ebb)
16. BUT THE WORLD GOES 'ROUND (John Kander, Fred Ebb)
17. NEW YORK, NEW YORK (John Kander, Fred Ebb)
18. I'LL BE SEEING YOU (Sammy Fain, Irving Kahal)

Liza's Back

Liza's Back

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