Kontaの歓びの毒牙

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「ムキムキ・ビーチ」

3作目の「ビキニ・ビーチ」に続きます

 前作「やめないで、もっと!」がとっても気に入ったので、その続編「MUSCLE BEACH PARTY」(1964年)のビデオも取り寄せてしまいました。この作品、日本では劇場未公開ですが、1991年に「ムキムキ・ビーチ」のタイトルでビデオが発売されていたようです。今回もフランキー(Frankie Avalon)、ディーディー(ドロレス)(Annette Funicello)、ジョニー(John Ashley)、デッドヘッド(Jody McCrea)と、主要メンバーはそのままで、再び真夏の砂浜にやって来ました。沖に大きな船を停泊させている大金持ちのイタリアの伯爵未亡人ジュリー(ルチアナ・パルッツィ/Luciana Paluzzi)とその部下たち、海岸でボディビル・ジムを営むジャック・ファニー(ドン・リックルズ/Don Rickles)と8人のボディビルダーたちが、今作では太陽の下で陽気な華を添えます。
 8人のムキムキ・マンの中で、一番背が高く顔も身体も整っているのは、ミスター・ギャラクシーの地位に輝くフレックス(ピーター・ルーパス/Peter Lupus、別名ロック・スティーヴンス/Rock Stevens)。遠くから彼を望遠鏡で眺め一目ぼれしたジュリーが、沖の船からヘリコプターで海岸に降り立ち、ビーチはサーフ・ボードが乱れ飛ぶ大騒ぎに…。ジュリーはフレックスの全身を舐めるような視線で吟味した後、ジムのオーナー、ジャックが一番のお気に入りの彼のことを心配するのをよそに、さっさとフレックスを'これいただくわ'というカンジでランチにテイク・アウトしてしまいます。ところが彼女はフレックスを車で送ってきた夜、月夜のサーフィンから戻ったフランキーが浜辺でひとり歌うのを聞いて、なんと、素早く今度はフランキーに興味を集中させるのでした。彼にジュリーがキスをするのを目撃したディーディー(ドロレス)はカンカンになって…という風に物語は展開してゆきま〜す。
 最初はボディビル・ジム事業に興味を示したくせに、すぐフランキーを歌手として売り出すことに心変わりする気まぐれな金持ち女のジュリー(好みの男と事業をいつも結びつけるのは立派!)を演じるルチアナは、この後「007/サンダーボール作戦」(1965年)でボンド・ガールもつとめたという女優さん。ミスター・ギャラクシーのフレックス役のピーターは、さまざまなミスター賞に輝くボディビルダーで、一般的にはテレビの「スパイ大作戦」のウィリー役で知られてる人。彼がロック・スティーヴンス名義で出演した翌1965年の「英雄スパルタカス/CHALLENGE OF THE GLADIATOR」を先日観たばかりですが、お顔がなんとなくビリー・ジョエルっぽい気が…。それから、前作にも出ていて今回はより大きな役となったのは、そのモーレツな腰振りダンスで男を吹き飛ばしてしまうキャンディ(Candy Johnson)、彼女はエンド・クレジットでも大活躍します。それとは逆に、僕のお気に入りのデッドヘッド役、ジョディー・マクリーは今回ほとんど見せ場がなくかなり悲しかったです(涙)。
 そして、音楽ゲストはなんとリトル・スティーヴィー・ワンダー(Little Stevie Wonder)で、ラスト近くにクラブのステージで1曲歌います。名前の通りまだまだお子様の頃のスティーヴィーですよ〜。また前作では、クラブでずっと眠っているビッグ・ダディ役で、ヴィンセント・プライス(Vincent Price)がカメオ出演していましたが、今回は影の大物、実はフレックスの恐い父という役で、あのピーター・ローレ(Peter Lorre)が一瞬出演していて、ハッとさせてくれます。残念なことに、ローレはこの映画のプレミアの4日後に亡くなられてしまったとか…。
 ストーリー的には、やっぱり前作の方がずっといいのですが、ピチピチのウェアでビルダー達が大勢登場する画面に、当時のゲイの観客は大喜びだったんだろうなと想像できますぅ。ビルダーたちを'my boys'と呼ぶ、ジムのオーナー、ジャック・ファニーもケンカの場面では、"筋肉を傷つけちゃダメよ"と心配顔でちゃんと彼らにアドバイスしていました(笑)。やっぱり'男の女優は筋肉が命'だよね〜。

恋のビーチ・パーティ

恋のビーチ・パーティ