Kontaの歓びの毒牙

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花月シネマ 名作・傑作を低料金で… 大阪難波 なんば南海通 なんば花月地下

  1975年8月9日、大阪難波なんば花月劇場地階に開場した特選名画劇場、花月シネマ。なんば花月自体は1988年5月31日に建物の老朽化等により閉館したそうです。花月シネマが正確にいつまであったのかは…、わかりません。

 

300円均一料金で「パピヨン / Papillon」(1973) を上映中。

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私が行きはじめた1977年には100円値上げして、400円均一料金でした。映画2本立てが学生料金500円で観れた時代に、単作上映の花月シネマは今考えると、どちらかといえば割高感があります。

上の写真はこちら↓の頁から頂きました。 ありがとうございます。

https://www.yoshimoto.co.jp/100th/history/

 

 花月シネマで私が初めて観た映画は、1977年の9月の上映「おかしなおかしな大追跡 / What's Up,Doc?)」(1972)でした。とっても面白くて、すご~く気に入ったのでそのまま連続2回観て帰りました。

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ライアン・オニール(Ryan O'Neal)の出演作の中で、今でも一番ぐらいに大好きな作品です。

おかしなおかしな大追跡 特別版 [DVD]

 

「おかしなおかしな大追跡」 ピーター・ボグダノヴィッチ(Peter Bogdanovich)監督、

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バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)が名曲「As Time Goes By / 時の過ぎゆくままに」 を口ずさむ場面を演出中。
 

左2枚は1977年の9月と11月の花月シネマの上映作品スケジュール。

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この「おかしなおかしな大追跡」はその後も、大毎地下名画鑑賞会(毎日文化ホール)で上映された際(1980年7月)や、大阪市福島区ABCホールで上映された「ABC観光と名画の夕べ」(6)(ABC喜劇・名画シリーズ)↓でも、観ました(1978年11月)。

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上の招待状の裏の記述。1978年11月22日(水)18:30より上映。

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アナウンサーでシネマ・エッセイストの小崎くに子さんのお話「ことし(1978年)の映画ベストテンをめぐって」付きでした。

 

 映画「おかしなおかしな大追跡」の冒頭と終わりのクレジットには、バーブラとライアンが一緒に歌うコール・ポーター(Cole Porter 1891 - 1964)作の素敵な歌「You're The Top」が使われているのですが、このデュエットは当時まだ音盤化されていませんでした。ビデオでソフトが発売されてもいない時代でしたので、中学3年の僕はABCホールでの上映会の時、小さなテープレコーダーを持ち込んで120分のカセット・テープで、この映画の最初から最後までの音声を録音し、そのテープでバーブラとライアンの歌を楽しんでいました。今もそのカセットテープは持っていますよ。そして幸いこのデュエット曲はようやく1991年にCD化され、現在では簡単に入手できるようになっています。

Highlights From: Just for the Record

↑ライアンとバーブラのお遊びデュエット「You're The Top」はこのCDで!

 

 1977年の11月に花月シネマで観た作品は「カサンドラ・クロス / The Cassandra Crossing」(1976)と「パニック・イン・スタジアム / Two-Minute Warning」 (1976)の2本でした。「カサンドラ・クロス」は細かいことを言うと、色々突っ込める箇所満載な映画なのですが、それらを深く考えなければすごく楽しめる映画でしたし、気に入りました。最初に菌に感染してしまう男が、ヴィスコンティ爺の「家族の肖像 / Conversation Piece / Gruppo di famiglia in un interno」(1974)でステファーノを演じた ステファノ・パトリッツィ(Stefano Patrizi)君なんですよね~。観る機会があれば是非よ~くチェックしてみて下さい。

 

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そしてこの「カサンドラ・クロス」には、レイモンド・ラブロック(Raymond Lovelock)改め、レイ・ラヴロック(Ray Lovelock 1950 - 2017)や、ジョン・フィリップ・ロー(John Phillip Law 1937 - 2008)という1970年代美男も出演していましたし、バート・ランカスター(Burt Lancaster 1913 - 1994)も素敵でした。 これで、ヘルムート・バーガー(Helmut Berger)様が出ていれば、申し分ないキャスティングだったでしょう~。

カサンドラ・クロス [Blu-ray]

 

 中学2年の僕は、木曜日の夕方、塾に2ヶ所連続で通わされていました。「パニック・イン・スタジアム」は、その塾ふたつをこっそりサボって観に行きました。塾に行きたくない時ってありますよね。それで、特に観たい映画でもなかったのですが、花月シネマは難波駅から近く便利ですし、単作上映で、塾の時間帯に観るのにちょうどよい長さだったのです。内容もハッキリは憶えていませんが、今、出演者を確認してみると、チャールトン・ヘストンジョン・カサヴェテスマーティン・バルサムボー・ブリッジス、マリリン・ハセット、デビッド・ジャンセン、ジーナ・ローランズって、なかなか豪華だったんですね~。スタジアムがパニックになってる場面しか思い出せませんが…。

パニック・イン・スタジアム [Blu-ray]

 

一番右のカードは1978年4月の花月シネマの上映作品スケジュール。 

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サスペリア / Suspiria」(1977)もここ花月シネマで観ました。 1977年の夏を代表する一世を風靡した映画でしたよね。花月シネマでは映画のポスターも販売していて、購入すると映画のチラシを沢山もらえました。受付に若くほがらかでとても感じのいい女性がいて、ポスターを2枚買ったら、「黄金のランデブー / Golden Rendezvous」(1977)(←ドロシー・マローン Dorothy Malone 1924 – 2018 も出演)のポスターをオマケで下さったこともありました。「今日もあの人いるかな~」なんて思いながら、映画館に向かっていましたね。

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 イタリア映画「スキャンダル / Scandalo」(1976)は花月シネマで観たのではないのですが、大変興味深い映画で、VHSビデオを持っています。「家族の肖像」でリエッタちゃんを演じたクラウディア・マルサーニ(Claudia Marsani)も出てきます。フランコ・ネロ(Franco Nero)…、こんな美しい顔を持ちでセクシーでホットな男って、 めったにいないのではないでしょうか。

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フランコ・ネロの作品では、「怪奇な恋の物語 / Un tranquillo posto di campagna / A Quiet Place in the Country」(1968)が一番好きな映画ですが、マーク・レスターと共演した「可愛い冒険者 / Senza ragione / Redneck」(1973)も、ぜひもう一度観たい作品です。 

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 この次に花月シネマに行ったのは、1978年(中学3年でした)のゴールデン・ウィークの5月5日、男子の友達2人と僕の3人で「スラップ・ショット / Slap Shot」(1977)を観る予定で難波に出かけました。一緒に行ったM君は小学1年の時から同じ組で、特に話が合うとか興味の対象が一致しているということはないのに、なぜかいつも近くにいた人物でした。当時テイタム・オニールやリン・フレデリックが可愛いと言っていましたし、ほぼ100%異性愛者でした。当時の我が中学校の生徒の1/3ぐらいはなんらかの洋楽や洋画に興味を持っていたように、思います(?)。そういう点で、M君とも接点や話題があったのでしょうね。もう一人は以前も書いことがある、後に東大に進学したゲイ・ネタ好きの、髪が天然にカールし、ピアノが上手なF君でした。F君とは2日前の5月3日にも、この時は二人だけで千日会館に「さよならエマニエル夫人 / Goodbye Emmanuelle」(1977)を観に行ったばかりでした(この時の事は、また近々“千日会館の回”で書く予定ですよん)。

 

天王寺ステーションシネマ、花月シネマ、千日会館、リオン小劇場、新世界日劇会館の 

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1978年4月~5月の上映スケジュール。 雑誌「バラエティ」1978年6月号59頁より

「スラップ・ショット」、1978年4月29日(土)~5月5日(金)、花月シネマで上映となっています。↑

 

  そして3人で花月シネマ前に着くと…何か様子がおかしい…と感じました。目当てのポール・ニューマンの写った「スラップ・ショット」のポスターがどこにも見当たらないのです。「え~っ、なんで?!」と3人で、その場で戸惑いました。

スラップ・ショット [DVD]

 

 花月シネマでその時上映されていた(?)のは、なぜか!マリリン・チェンバース(Marilyn Chambers 1952 - 2009)主演の当時話題のポルノ映画「グリーンドア / Behind the Green Door」(1972)↓だったのです。キャア!

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Adults Only よ。良い子の皆さんは大人になってからね…。

Behind the Green Door

The Roulette Story

 

花月シネマの外には、この↓「グリーンドア」のポスターがデカデカと貼られていました。 いや~ん!

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グリーンドアの向こうで、マリリンに一体何が起きたんでしょうね?見たいっ!

(ポスター↑の一部はカットさせていただきました~。) 

 

 今思えば、もしかしたら翌6日から上映予定だった「グリーンドア」のポスターが、準備の為に、最終日の上映だった「スラップ・ショット」のポスターと、早々に交換されていたのかもしれません…。現在の私なら、地下の花月シネマの受付まで下りて行って、“どういうことやねん?!”と映画館の人に尋ねるでしょうね。でもその時の僕たちは中学3年の純でいたいけな少年3人…(ホンマか?!)、成人映画のポスターに怖気付き、そのままあきらめて花月シネマをあとにしました。その後は3人で難波をぶらぶらしてから、仕方がないからうちに帰りました~(電車賃返せっ!)。帰り道の間、F君が「グリーンドア」のマリリン・チェンバースさんのポスターのポーズ↑を真似して、笑わせてくれましたわ(キャハハ)。

 

「グリーンドア」ってこんな古典作品↓:

https://twitter.com/hakidamevideo/status/1626889979959066624

 

 結局、映画「スラップ・ショット」は別のおりに観ました。バスで移動する場面に使われていたマキシン・ナイチンゲール(Maxine Nightingale) の歌う「Right Back Where We Started From / 愛とは強いもの」は大好きで、今でもよく聴きます。マキシンは決してすごい歌手ではないのですが、この“軽さ”が魅力ですね~。彼女のアルバムのCD化が全然進まないのが残念です。

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この「Right Back Where We Started From」ですが、シニータ(Sinitta)が1989年に「あの日にゲット・ライト・バック」という邦題でカバーしていましたし、2006年にマーシャ・ハインズ(Marcia Hines)がディスコの名曲を集めて作ったアルバム「Discotheque」にも収録されていて、これがなかなか楽しめる作品集だったので、ここでお勧めしておきたいと思います。

Discotheque

Right Back to Where We Started From (The Best of Maxine Nightingale)

 

1979年3月と4月の、花月シネマの上映スケジュールのカード。 

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カードに小さく、「番組及び上映時間の変更はご了承下さい。」って書いてあります!! やっぱり1978年の子供の日に上映されてたのは、「グリーンドア」?

 

ネットに画像がありました↓。1978年5月のカード。

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「グリーンドア」はカードでも確かに5月6日からですね。どういうこと???

こちら↓から頂きました。

https://twitter.com/yamashin_nomaki/status/1044111000264306688

 

 1979年の3月には「未知との遭遇 / Close Encounters of the Third Kind」(1977)と「コンボイ / Convoy」(1978)を観に行きました。上方右1979年4月のカードは「コンボイ」の時にもらったものだと思います。

 

未知との遭遇」で印象的だったのは、↓フランソワ・トリュフォー(François Truffaut、1932 - 1984)と

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映画の一場面で写っていたファラ・フォーセット・メジャース(Farrah Fawcett-Majors 1947 – 2009)の有名なあずき色の水着のポスター、そしてリチャード・ドレイファスが作っていた変な小山でしょうか…。

未知との遭遇 40周年アニバーサリー・エディション 4K ULTRA HD ブルーレイセット [4K ULTRA HD + Blu-ray]

 

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1979年のカードの裏面の広告。サントリー・ポップ、カーペンターズ(Carpenters)の歌うCMソングが懐かしいですね~。

 「コンボイ」は公開前に、テレビで大々的に宣伝していました。その時バックに流れていたのが下の「コンボイのテーマ」という曲でした。当時、そのCMを見た人々は、その曲が映画のオリジナル・サウンドトラックだと思い込まされていましたが、実はこのU.S. CONVOYSというのは、松任谷正隆の変名で、このシングル・レコードは、偽物のサントラ(ニセトラ)だったのです。

 

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アリ・マッグロー(Ali MacGraw)のインタビューは雑誌「バラエティ」1978年1月号に掲載。

コンボイ [Blu-ray]

 

僕の周りにもこのシングル盤を買って聴いていた子が沢山いました。あれほどテレビでバンバン流されていたのですから、そりゃ~騙されますよね。もちろん、この曲は映画の中では一度も流れませんでした。単なるイメージ・ソング、映画に便乗したコマーシャル・ソングだったのです。

 

ついでに書かせて下さい。

 

 かつては、大好きだった松任谷由実松任谷正隆の音楽でしたが、「GREY」盗作(一曲全てバッハの曲のまるパクリ!)発覚以降、聞く気がまったく失せました。この曲の他にも数曲、盗作・パクリが判明しています。

 

泥棒女の松任谷由実が、「GREY」は詞も曲も自分で「作った」と言い切っています↓。曲はバッハの「我ら悩みの極みにありて BWV.641」の丸パクリでしょう?ウソつくな!!

https://www.youtube.com/watch?v=wni1YGkl-TI

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松任谷由実ってどこまで「ふてぶてしい女」なんでしょう!!

朝日新聞2017年1月16日(月)の記事より

 

 曲を盗み、詞を盗み、編曲を盗み、アルバム・カバーのデザインを盗み…とんでもない“うそつき夫婦”ですね、松任谷由実松任谷正隆って…。さすが安倍晋三と「同じ価値観を共有できる」だけあります。でも、他人の作品を盗んでまでアルバムを出す必要はないと、私個人は思います。さっさと引退なさって、腐りきった安倍晋三安倍昭恵夫婦と「もっと自由にご飯に行ったり」、「経る時」でも歌いながら「桜を見る会」でもなさればよいのではないでしょうか?

 

松任谷由実さん、またパクリですか?これ↓を平気で出来るって…、どんな人間性なんでしょう?

右上:Justin Timberlake「The 20/20 Experience – 2 of 2」(2013)
右下:BlurThink Tank」(2003) 

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“コピー、許せない”とか“オリジナリティーのないものを憎む”とか、偉そうに発言しておきながら、松任谷由実さん、自分には超甘いんですね。“本歌取り”とか“オマージュ”、“あたしは、テーマは違うところに求めた(→だから盗作・パクリじゃない!)”なんていう言い訳は、まったく通用しませんよ!

 

映画「ザ・ファン / The Fan」(1996)のチラシ

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「人は、スターを崇拝し、その輝きに陶酔する。しかし、憧れが憎しみへと変わると、スターをおびやかす最も恐ろしい存在となる。」 素晴らしいコピーですね!

ザ・ファン [DVD]

 

 私はもう松任谷由実松任谷正隆のファンでも何でもありませんがね…。今後、この二人の関わった音楽その他すべてに対して、一切お金を使う気はありません。松任谷夫婦にはうんざりです!!さよなら、パクリの女王、ユーミン

 

 せっかく、1970代末の、花月シネマのいい思い出を書いていたのに、「コンボイのテーマ」から、“汚れた夫婦”の話に脱線しました。

 以上が、私が花月シネマで観た映画でした。この映画館シリーズは、まだまだ続く予定ですよ~。

1979年11月のなんば花月↓。写真の左手に花月シネマの入り口がありましたが、残念ながらこの写真には写っていません。

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歴史読本編集部編「カメラが撮らえた 大阪の昭和」(2013年 KADOKAWA発行)の256頁より

カメラが撮らえた 大阪の昭和

 

追記:花月シネマの上映作品は、1981年の2月5日以降数年間は、ほとんど成人映画のみになったようです。いつまでこのようなプログラムだったかは、不明です。