結婚した男　アラン・ベイツ Alan Bates

　1980年の6月に映画館で「恋する女たち」(1969年英映画)を観て以来、俳優アラン・ベイツ(Alan Bates)が大のお気に入りです。この写真、ものすごくいい男ですよね。まさしくタイプなんですわ！

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　2007年に Donald Spoto 氏によるアランの伝記本「Otherwise Engaged : The Life of Alan Bates」が出版されて、僕は2009年に読んだのですが、これがすごく興味深い内容でした。アラン、結婚して双子の男の子の父親となるものの、奥さんのヴァレリー・ウォード(Valerie Ward)はヒッピー崩れのエキセントリックな女性で、家庭は完全に崩壊。もともとアランは女性にはあまり性的興味がなかった様で、一緒に旅行して同室に泊まっても、何も起こらなかった…と伝記本の中で証言している女性もいました。とりあえず子供が出来たので、ヴァレリーとは結婚しましたけれど、その前も後も、この伝記によるとアランの恋人だったのは、ほとんど男の人ばかりです。

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　読んでいて一番驚いたのは、俳優のニコラス・グレイス(Nickolas Grace)もアランの恋人の一人だったということです。この人、イーヴリン・ウォー(Evelyn Waugh)著「ブライヅヘッドふたたび」の英テレビ・ドラマ化作品「華麗なる貴族　チャールスとセバスチャン / Brideshead Revisited」(1981年)で、セバスチャンの友人・ゲイで派手なオネエのアントニー・ブランシュ(Anthony Blanche)を演じた方なのですよ。このブランシュ役は、観る者に強烈な印象を残しました。

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　そして、アランの息子二人も父がゲイだということは、しっかり認識していたようです。この双子の息子達・トリスタンとベンは成長して、二人とも1989年の夏から東京でモデルの仕事をするようになります。息子のひとりは、翌1990年1月13日に東京港区の網代公園のトイレで死体で発見されます。トリスタンは、東南アジアでする仕事の為に、伝染病の予防接種を東京で受けた日の夜に、無謀にもお酒とドラッグ(ヘロイン)もやって、気分が悪くなって入ったそのトイレで亡くなってしまったのです(享年19歳)。息子の死の直後、ベイツ夫妻は来日し10日間ほど東京に滞在したとのこと…。当時すでに夫婦は別居していて、やはりアランは男の恋人と一緒に住んでいました。

　上に掲載したプロフィールは、1978年のヒット映画「結婚しない女」のパンフレットからのものですが、“70年にバレリー・ウォードと結婚し、双生児をもうけロンドンでしあわせな家庭を営んでいる。”って書いてありますが、半分はウソだったんですよね。でも、僕もずっとアランは異性愛者だとばかり思ってましたよ。とりあえず異性と結婚して子供をもうけていれば、世間ってたやすくそう信じてしまうということなんでしょうか。

　アラン・ベイツ、映画の中では何度もゲイの役を素敵に演じてきましたけど、表向きの生活では、実は異性愛者を上手に「こなしていた」ということだったのですね。（ちなみに、2003年にはナイトの称号も授与された名優なんです。）

　このアランの伝記本、とっても面白いので、興味がある人は一度読んでみることをお勧めしま～す。

アラン・ベイツ(Alan Bates)とは：

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%A4%E3%83%84

http://www.alanbates.com/