Kontaの歓びの毒牙

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フィリス・ハイマンの元夫

BEAUTIFUL MAN OF MINEってオレのこと

 フィリス・ハイマン(PHYLLIS HYMAN)と1970年代半ば(1975年か1976年頃?)から1981年まで結婚していたラリー・アレキサンダー(LARRY ALEXANDER)さん、彼はジャマイカ出身のジャズ・ピアニスト、モンティ・アレキサンダー(MONTY ALEXANDER)の弟で、フィリスのブッダ・レーベルのアルバム2枚では、いくつかの曲でプロデュースも担当していました。ラリー自身も1977年にはサンディ・トラノ(SANDY TORANO)*1と組んだグループ、TORNADERで「HIT IT AGAIN」(Polydor PD-1-6098)というアルバム*2を発表していましたが、フィリスと別れた後、どうしているのかずっと気になっていたのです。
 しばらくして、ダイアナ・ロスメアリー・J・ブライジ等のアルバムで、エンジニアのクレジットにLARRY ALEXANDERという名前を見つけて、"現在は裏方で活躍中か?"と思ったのですが、この方は全くの同名異人であることが最近判明しました*3
 では、フィリスの元ダンナ様の方のラリーはいったいどこに? 調べてみると1998年にソロ・アルバム「I AM WHO SINGS」をひっそり発表していたのですね。早速そのCDを取り寄せてみました。録音はスイスで行なわれていて、参加しているミュージシャンもヨーロッパ風の名前が多いです(兄のモンティも参加)。収録曲はスタンダード曲と自作のオリジナルが半分ずつ、タイトル通り全曲で歌っています。TORNADER時代のアルバムでは"歌唱がどうかな…"と思わせる面もありましたが、このアルバムではビックリするぐらい歌が上手くなっていて、まるでマーク・マーフィーを思わせるような、なかなか味のあるジャズ・ヴォーカルを聴かせてくれます。
 1992年頃のあるテレビ番組で、別れた夫について訊かれたフィリスは"彼が見ていなければいいけど…(笑)"とおどけて前置きして、"彼は素晴らしいプロデューサーで、ソングライター"と述べ、別れの理由には"We just grew apart."とさりげなく答えていました。僕自身あまり好きではないアリスタ時代のフィリスでも、ラリーとフィリスが共作した曲だけは、本来のフィリスらしさが出ていて、大好きなのですが、彼ら二人の関係が1981年に終わってしまったのは、音楽的にもとても悲しいことですね。兄モンティと同じくハンサムで、なおかつ背が相当高いラリーですが、このCDのブックレットに載っている写真では、左の薬指にしっかりキラリと光る指輪がはめられていました…。

  • I AM WHO SINGS 曲目

01. Is This Love (Bob Marley)
02. I Am Who Sings (Larry Alexander)
03. If You Go Away (Jaques Brel, Rod McKuen)
04. (It's A) Lush Life / Know What I'm Sayin' (Billy Strayhorn / Larry Alexander)
05. Look What You've Gone And Done (Larry Alexander)
06. My Ship (Ira Gershwin, Kurt Weill)
07. To Love Than To Be Loved (Larry Alexander)
08. Wanted By This Wholehearted Man (Larry Alexander)
09. My Letter To You (Larry Alexander)
10. Many A Moon To Come (Larry Alexander)
11. 5 Minutes More (Sammy Cahn, Jule Styne)
12. There I've Said It Again (Redd Evans, Dave Mann)
13. Jamaica Nights (Larry Alexander, Marjorie Whylie)


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000565MO/qid=1104988563/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-5426619-3750742

http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B00063579U/qid=1104989902/sr=1-5/ref=sr_1_5/104-6647737-8051163?v=glance&s=music

この↑上のモンティのアルバムに、ラリーが書き、ロバータ・フラックも取り上げた「Knowing That We Were Meant for Each Other」が収録されています。

*1:SANDY TORANO 後にHOWARD JOHNSONと共にグループ、ナイトフライト(NITEFLYTE)を結成。1979年発表の一枚目のアルバムではラリーが3曲提供し、フィリスもバックコーラスで参加しています。

*2:「HIT IT AGAIN」 このアルバムに収録されている曲を、後にフィリスやロバータ・フラックがカヴァー。

*3:エンジニアのラリーさんのサイトはこちら。http://www.larryalexander.info/